友人関係で何度もモヤモヤする理由:自分が求める心の支えを見つける
友人に何度もモヤモヤするのは、期待した反応と返ってきた反応がすれ違っているからかもしれません。知覚された応答性、支えの種類、よい知らせへの反応、お願いする4ステップまで。
つらいことを打ち明けたのに解決策だけが返ってきたとき、一日以上返信がないとき、大事な知らせをほかの友人から先に聞いたとき。友人関係のモヤモヤは、たいていこうした小さな場面から始まります。一度なら流せても、似たことがくり返されると「この関係に気持ちを注いでいるのは自分だけなのかな」という思いにまで広がっていきます。
どちらが敏感かを言い合っても、話はすぐに行き詰まります。くり返すモヤモヤを「関係に期待していること」と「実際にやりとりされている支え方」の違いとして見ると、友人を責めずに自分の気持ちを説明する言葉が見つかります。一度はっきりお願いしてみて、それから関係の距離を判断しても遅くはありません。
くり返すモヤモヤを、性格の欠点や特定の愛着スタイルの証拠だと決めつけることはできません。関係の文脈、お互いの余裕、コミュニケーションのしかたが一緒に影響しています。
モヤモヤした場面を事実・解釈・気持ちに分けてみる
「友人がわたしの気持ちをわかってくれなかった」という文には、たいてい三つの層がまざっています。
- 事実:転職の面接の話をしたら、友人はすぐにアドバイスをした。
- 解釈:わたしの話をたいしたことないと思っているようだった。
- 気持ちと必要なもの:不安だったので、解決策より先にわかってほしかった。
このように分けると、気持ちを無理に小さくして友人をかばう必要も、一つの場面だけで関係全体を決めつける必要もなくなります。事実は事実として置いておき、解釈は確かめる対象として扱い、気持ちと必要なものはお願いの材料に使えばいいのです。次の会話で何を話せばいいかが、ぐっとはっきりします。
たとえば、誕生日に友人から夜11時を過ぎてやっとお祝いのメッセージが届いたとします。事実は「連絡が遅かった」です。解釈は「わたしのことをあまり気にかけていないんだろう」かもしれませんが、友人はその日残業だった可能性もあります。必要なものは「誕生日を大事にしてもらえている感覚」でしょう。こうして分けてみると、「なんでこんなに遅く連絡してくるの?」より「誕生日は短くてもいいから、早めに連絡をもらえるとうれしいな」のほうが、望んでいることをより正確に伝えられるとわかります。
連絡の回数より「わかろうとしてくれたか」が大切
関係研究者のライス、クラーク、ホームズは、知覚された応答性を親密さの核心だと考えました。相手が自分にとって大事なことに注意を向け、理解し、尊重し、気づかってくれていると感じる度合いのことです。だから毎日連絡を取り合っていてもモヤモヤすることがあり、数か月に一度しか会わなくても支えられていると感じることがあります。
ライスらは2017年のレビューで、「理解されているという感覚」は、相手が実際に自分をどれだけ正確に知っているかと、思ったより弱くしか結びついていないとまとめています。正確な正解より「わかろうとしてくれている」というサインが大切だということです。「この前言ってた面接、どうだった?」という一言が、長電話より心に残る理由はここにあります。
ですから、自分が望んでいるのが毎日の連絡なのか、それとも「あなたが話してたこと、覚えてたから聞いてみたよ」という反応なのかを区別してみてください。 後者なら、連絡の頻度を増やしてほしいとお願いするのは、的外れなお願いになるかもしれません。 会っているのにスマートフォンばかり見ている友人にモヤモヤするなら、それは回数ではなく注意の問題です。 この点は
よいアドバイスでもモヤモヤすることがある
ソーシャルサポートは、大きく三つに分けて考えることができます。共感して話を聞く気持ちの支え、アドバイスや選択肢をくれる情報の支え、時間や行動で助ける実際的な支えです。
「その会社はやめておきなよ」というアドバイスは、間違ってはいないかもしれません。でも「怖いし、自信がない」と言った直後なら、まず「その状況なら不安だったよね」という言葉がほしかったのかもしれません。カトローナとラッセルの最適マッチングモデルも似たことを言っています。ストレスの性質と支えの種類が合っているほど助けになりやすく、自分ではどうにもできないことを前にしたときは、気持ちの支えのほうが合いやすい傾向があるというものです。大切なのは支えの量ではなく、いま必要な支えと合っているかどうかです。
もう一つ、興味深い研究があります。ボルジャーらは、大きな試験を控えた人とその恋人の日記データを分析しました。すると、受け取る側が「助けてもらった」と気づいた支えは、かえって負担感をともなうことがありました。反対に、受け取る側が気づかないように差し出された助けのほうが、適応に役立っていたのです。恋人同士を対象にした研究なので友人関係にそのまま当てはめることはできませんが、アドバイスがときに「あなたは一人じゃできないでしょ」のように聞こえてしまう理由を想像させてくれます。
つらいときと同じくらい、うれしいときの反応もモヤモヤを生む
モヤモヤはつらいことからだけ生まれるわけではありません。合格の知らせを伝えたのに、「へえ、そうなんだ。おめでとう」の一言ですぐ相手の話に移ってしまうと、その場面が長く残ることもあります。
ゲーブルらの2004年の研究では、よい出来事をほかの人と分かち合うこと自体がその日の前向きな気持ちを高め、相手が積極的にうれしそうに反応してくれるとその効果がさらに大きくなりました。反対に、そっけない反応やあら探しをするような反応は、関係の満足度と結びついていませんでした。大学生やカップルを対象にした研究が中心なので、すべての関係に同じように当てはまるわけではありませんが、うれしい知らせへの反応が関係の温度をかなり左右するということは覚えておく価値があります。
たとえば「やっと運転免許に受かった!」という言葉に、「どうやって受かったの?路上試験、緊張しなかった?」と聞き返してくれる友人と、「最近はみんな取れるよね」と流す友人とでは、同じお祝いでもまったく違って感じられるものです。よい知らせを誰に最初に伝えたいかということ自体も、関係を映すサインになります。
モヤモヤをお願いに変える4ステップ
何も言わずに待っていると、友人は何が問題なのか知らないまま過ぎてしまう可能性が高いです。次の順番で、一度切り出してみてください。
- 場面を一つだけ選ぶ。「この前、面接の話をしたとき」のように。
- 自分の経験を話す。「解決策を聞いて、ちょっと余計に一人になった気がしたんだ。」
- 望む反応を具体的にする。「アドバイスの前に、少しだけ聞いて『大変だったね』って言ってもらえるとうれしい。」
- 相手の余地を残す。「今日聞くのがしんどい日なら、また今度でも大丈夫だよ。」
これは友人を試すための言葉ではなく、お互いの支え方を確かめるための会話です。返信の速さを関係の点数にするのもやめましょう。一度の遅れより、必要なことを伝えたときに合わせようとしてくれるか、話したあとにパターンが少しでも変わるかを一緒に見るほうが正確です。
話す前に、自分に問いかけておきたい質問もあります。
- いちばん望んでいるのは何か? 判断せずに聞いてもらうこと、選択肢を一緒に整理すること、実際に手伝ってもらうこと、連絡が難しい状況を知らせてもらうこと、自分の決定を尊重してもらうこと、の中から一つ選んでみる。
- このモヤモヤは今回のことのせいか、積もり積もったものか?
- 友人のほうも、わたしに対して似たようなモヤモヤを感じたかもしれない場面はあったか?
最後の質問は少し居心地が悪いものですが、会話をずっとやわらかくしてくれます。お願いは一方向だけに向かうものではないからです。
自分が期待している心の支えを知る
友人関係で何度もモヤモヤするなら、「友人が足りないのかな」より先に「わたしはどんなときに理解されていると感じるんだろう」と問いかけてみるのが助けになります。心のニーズ診断テストは、自分が愛されている、安全だ、理解されていると感じるサインが何なのかを気軽に見てみるためのツールです。結果は自分や友人を判定するものではなく、「わたしはこういう反応が力になる」と伝える表現を探す材料として使ってみてください。
この記事は診断を目的としたものではありません。継続的な侮辱や支配、脅し、ほかの人間関係から引き離そうとする行動がある場合や、関係のストレスで日常生活が大きく揺らいでいる場合は、信頼できる人や心の専門家に相談してください。
モヤモヤはたいてい、この関係をこれからも大事にしたいという気持ちと一緒にやってきます。だから静かに離れてしまう前に、望んでいることを一度は言葉にしてみてください。
参考文献
- Reis, H. T., Lemay, E. P., & Finkenauer, C. (2017). Toward understanding understanding: The importance of feeling understood in relationships. Social and Personality Psychology Compass, 11(3), e12308.
- Cutrona, C. E., & Russell, D. W. (1990). Type of social support and specific stress: Toward a theory of optimal matching. In B. R. Sarason, I. G. Sarason, & G. R. Pierce (Eds.), Social Support: An Interactional View (pp. 319–366). Wiley.
寂しさと対立を言葉にする
全4話中1話- 01 友人関係で何度もモヤモヤする理由:自分が求める心の支えを見つける
- 02 友達へのモヤモヤ、どう伝える?LINEの例文と話す前の整理
- 03 クッション言葉が多いのは気づかい?それとも対立回避?「もっとやわらかく言って」と思う人の心理
- 04 子どもとの旅行で衝突するとき:年齢に合わせた予定と声かけ
この記事に合う心理テスト
