TCIの結果で「損害回避」が高いと出ました。それは、自分が怖がりだという意味でしょうか。そうとは限りません。TCIは、気質と性格をいくつかの尺度から振り返るための自己記入式検査です。点数は考えるきっかけにはなりますが、性格全体や診断を示すものではありません。
TCIはクロニンジャーの気質・性格モデルをもとにしています。一般的な7尺度は、気質の4尺度である新奇性追求(NS)、損害回避(HA)、報酬依存(RD)、固執(PS)と、性格の3尺度である自己志向(SD)、協調(CO)、自己超越(ST)です。日本語版や版によっては固執を「持続性」と表記するなど、訳語が異なることがあります。これらは診断名ではなく、連続的な点数で表す概念です。質問や採点方法も版によって異なるため、どの版を受けたか確かめることが大切です。
四つの気質尺度が見るもの
新奇性追求は、新しい体験や刺激を求める傾向です。損害回避は、先が見えない状況でどのくらい慎重になるかに関係します。報酬依存は、人からの反応や認められること、関係の手がかりへの反応に関わります。固執(持続性)は、すぐに報酬が得られなくても取り組みを続ける傾向を表します。点数が高いからといって、いつもそのように行動するとは限りません。
たとえば損害回避が高い人は、旅行の前に予定を細かく確かめるかもしれません。準備をすることで安心できる場合があります。一方、少しの変更で決められなくなるなら、その傾向が負担になることもあります。同じ特徴が役立つ場面も、疲れにつながる場面もあるでしょう。
三つの性格尺度は別の問いを扱う
自己志向は、自分で目標を決め、行動を導くことに関係します。協調は、相手を理解し一緒に過ごす姿勢を見ます。自己超越は、自分を超える意味やつながりを感じる傾向に関係します。ここでいう「性格」は人の善悪を評価する点数ではありません。自己志向が低いから無責任だということでも、協調が高いから必ず人間関係がうまくいくということでもありません。
三つの尺度は、四つの気質尺度とあわせて自分を振り返る概念です。「私は結局どんな人か」と決めるより、「どんな状況でこの反応が出やすく、望んでいることにどう影響するか」と考えるほうが役立ちます。最近の経験や環境、質問をどう理解して答えたかも結果に影響します。
高い・低いだけでは読み切れない
結果用紙には、素点や基準集団の中での相対的な位置が示されることがあります。比較的高い点数は、その集団の中で傾向が目立ったという意味であり、いつも同じ行動をするという意味ではありません。実際の行動は場面、役割、健康状態、ストレスによって変わります。「良い性格か悪い性格か」と評価するより、「この傾向が役立った場面と、難しさにつながった場面はどこか」と振り返ってみましょう。
TCIは自分で回答する検査なので、回答のしかたやそのときの調子も結果に関わります。よく見せようとしたり、つらい時期に答えたり、基準集団が自分と合わなかったりすると解釈に影響することがあります。版によって測定上の根拠を確かめる必要もあります。「TCI」という名前だけで、すべての結果の正確さが保証されるわけではありません。
TCIとMBTIは別の検査です
MBTIは、外向・内向、感覚・直観、思考・感情、判断・知覚という好みを示し、16タイプで結果を表すことが多い検査です。TCIは気質と性格の7尺度について点数を示します。質問も結果の形式も異なるため、TCIの点数をMBTIの文字に置き換えることはできません。名前だけを見て、どちらかが常に正確だと比べることもできません。検査の評価は、使った版と点数を何に使うかによって変わります。
「TCIテスト」と書かれたオンラインクイズが、正式な検査と同じものとは限りません。質問がどう作られたか、どんな人たちの回答で点数を確かめたか、結果の説明に何の根拠があるかを見てください。正式な検査でも、一度の回答だけで進路、関係、心の健康について大切な決断を代わりにすることはできません。
結果を日常の場面に戻してみる
受けた検査の版と日付、そのときの状況を記録しておきましょう。次に、結果に当てはまりそうな最近の場面を一つか二つ思い出します。最後に、その傾向が助けになったときと、困りごとになったときを分けて考えてみましょう。「私は回避型だ」ではなく、「先が見えないと情報を集める。準備には役立つが、決断を遅らせることもある」と書けば、別の選択肢を考えやすくなります。
構造化された性格検査と気軽なオンラインテストの違いは、心理テストと心理検査の違いで説明しています。動機から9つのタイプを説明するエニアグラムに関心がある方は、エニアグラムとMBTIの違いも参考にしてください。