MBTIが正反対でも合う?違いを話し合うためのヒント
相性表で将来は予測できません。惹かれ合い、類似性、関係満足度の違いを整理します。
「正反対だから惹かれた」、その先の話のほうが大事
計画派と気分で動く人、話すのが速い人と一人で考える時間が必要な人は、最初はお互いに自分にないものを見つけます。だからこそ、MBTIの相性表にある「正反対なのに意外と合う組み合わせ」は、つい気になってしまいますよね。韓国では、紹介で会う前に相手のMBTIを聞くことも、今ではよくあることになっています。
けれども、相性表が教えてくれない場面があります。約束がだめになったとき、お金と時間の優先順位が違うとき、どちらかがつらいとき、二人がどう話し合うのか、という場面です。ここで紹介した研究が扱うのは主に惹かれ合いや関係満足度で、交際が何年続くかを予測するものではありません。タイプよりも、違いをどう話し合うかを考えるほうが実用的です。
MBTIの相性表は、どこまで信じられる?
MBTIは、外向-内向、感覚-直観、思考-感情、判断-知覚という四つの軸で人を分け、16のタイプに分類します。自分の傾向を振り返る道具としては、なじみがあって楽しいものです。問題は、相性表がこの四文字を関係の成否に結びつけるときです。
心理学者のDavid Pittengerは2005年の論文で、MBTIの測定上の限界をいくつも指摘しました。代表的なものは二つです。一つ目に、人の傾向の多くは両端ではなく真ん中あたりに集まっているのに、MBTIはそれをどちらか一方に切り分けてしまいます。外向の点数が51の人と49の人が、別のタイプになるわけです。二つ目に、そのため数週間後にもう一度受けると、タイプの文字が変わる人が少なくありません。今日INFPだった人が来月ENFPと出るかもしれないなら、その文字で組んだ相性表はなおさら揺らいでしまいます。
MBTIのタイプの組み合わせで、恋愛の満足度や別れを予測できるという、しっかりした研究も見つけにくいのが実情です。ですから、相性表は楽しみとして見るくらいにして、結果が悪かったからと心配したり、良かったからと安心したりする理由はあまりありません。
似ているほうが合う?それとも正反対に惹かれる?
「類は友を呼ぶ」と「正反対だから惹かれ合う」は、どちらもよく聞く言葉です。研究はどちらに近いのでしょうか。
1958年、社会学者のRobert Winchが、互いに足りない欲求を満たし合う人同士が惹かれ合うという「相補的欲求」仮説を出しました。その後、多くの研究がこれを確かめようとしましたが、はっきりした支持はあまり得られていません。一方で、似ていることが好意と結びつくという結果は、繰り返し出てきました。
2008年、Montoya、Horton、Kirchnerは313の研究を集めてメタ分析を行いました。実際に似ていることも、似ていると感じることも、好意とはっきり結びついていました。ところが興味深い違いがありました。実際の類似性は、初対面や短い会話の場面では重要でしたが、すでに付き合っている関係では意味のある効果がなかったのです。反対に、「わたしたち、似ているね」と感じる認識は、長く続いている関係でも好意を予測していました。
2005年、LuoとKlohnenは、結婚1年以内の新婚夫婦291組を調査しました。夫婦は価値観や態度ではかなり似ていましたが、性格ではあまり似ていませんでした。そして結婚の満足度と結びついていたのは、態度よりも性格の類似性で、中でも愛着の傾向が似ているときに満足度との関連がいちばん大きくなっていました。
2010年、Dyrenforthらは、オーストラリア、イギリス、ドイツの全国代表サンプルから集めた夫婦のデータ(合わせて2万件を超える規模)を分析しました。関係の満足度を説明していたのは、自分の性格と相手の性格それぞれのほうが大きく、二人の性格がどれだけ似ているかの説明力はごく小さなものでした。
まとめると、「似ていないとだめ」も「正反対がうまくいく」も、半分ずつしか当たっていません。どの領域で同じでどこが違うのか、そしてその違いを調整できるのかがポイントです。これらの研究は主に欧米のサンプルなので、そのまま韓国や日本のカップルに当てはめるのは慎重であるべきですが、方向性は似ていると読めます。
相性表の代わりに考えたい三つの質問
1. 違いが魅力から負担に変わる瞬間を話せるか
気分で動くところは、最初は活力に見えても、繰り返されると無計画に感じられることがあります。たとえば、付き合い始めは「今日いきなり海を見に行かない?」にときめいていたのに、1年ほどたつと、毎回前の晩に約束が変わることに疲れてくる、というような場合です。相手の長所がいつ負担に変わるのかを具体的に話せるカップルは、同じ違いでも傷つきにくくなります。
2. けんかのあとに修復するやり方があるか
けんかをしないカップルより、けんかのあとに謝り、説明し、もう一度やってみられるカップルのほうが現実的です。 「次は何を変えてみようか」という会話ができるかどうかが大切です。 けんかのとき、どんな言葉が関係を壊すのかは
3. 大事な価値観と境界線が合っているか
お金、時間、家族、自立、誠実さ、安全のように、何度もぶつかる基準には合意が必要です。MBTIの四文字がこの問いの代わりになることはできません。一人は貯金が先、もう一人は経験にお金を使うのが先というなら、タイプがどれだけ合っていても、毎月同じ話し合いを繰り返すことになります。
こんなカップルなら、何を見ればいい?
たとえば、T(思考型)とF(感情型)のカップルを思い浮かべてみましょう。一人が会社で理不尽な目にあった話を打ち明けると、もう一人は「じゃあ、こうすればいいじゃない」と、まず解決策を口にします。打ち明けたほうは「味方してくれないんだ」とさみしくなり、解決策を言ったほうは「助けようとしたのに、なんで怒るの」と納得がいきません。
MBTIを「楽しみ」以上に使う方法
相性の点数で始めたり終わらせたりせず、会話のカードとして使ってみてください。次のように、具体的な好みを伝え合うほうがずっと正確です。
- 「一人で回復する時間が必要なの。連絡が減るのは、あなたが嫌いだからじゃないよ」
- 「急な予定変更が苦手なんだ。変わるときは、せめて前の日には教えてくれる?」
- 「愛情表現は、言葉より一緒に過ごす時間でもらえるといちばん落ち着く」
- 「悩みを話すときは、解決策より先に『大変だったね』を聞きたい」
MBTIの結果を見せ合いながら、「この説明の中で本当に自分っぽいのはどこで、違うのはどこ?」と聞いてみるのもいい始め方です。文字よりも、その答えのほうが相手のことを多く教えてくれます。
まず、自分が関係に求めるものを知っておく
相性は、二人のタイプを合わせることより、それぞれが関係に何を求めているかを知ることから始まります。こまめに連絡をもらうことで愛されていると感じる人もいれば、尊重されていると感じるときに安心する人もいるからです。
PrismTestの情緒的欲求テストは、自分が愛されている、安心できる、わかってもらえていると感じるサインが何なのかを振り返らせてくれます。相性を占う道具ではなく、恋人に「わたしはこういうとき、これが必要」と伝えるための材料を得るくらいのつもりで使うのがおすすめです。
正反対のタイプに惹かれたという事実は、関係の可能性を教えてくれるかもしれません。ただ、その関係の満足度や違いへの向き合い方どうかは点数からではなく、お互いの違いを尊重し、すれ違った約束を修復し、大事な基準を一緒に決められるかどうかから生まれます。
参考文献
- Montoya, R. M., Horton, R. S., & Kirchner, J. (2008). Is actual similarity necessary for attraction? A meta-analysis of actual and perceived similarity. Journal of Social and Personal Relationships, 25(6), 889–922.
- Winch, R. F. (1958). Mate-selection: A study of complementary needs. Harper & Brothers.
性格検査の結果を読む手がかり
全6話中5話