不安型愛着:返信が遅いだけで苦しくなるときの4ステップ
返信が遅いだけで揺らぐ気持ちを、親の影響と今の関係の両方から見ながら扱う4ステップ。
返信ひとつで一日が揺らぐとき
たとえば、お昼に送ったメッセージに夕方になっても返事がないとします。既読はついているのに、返信はありません。(韓国ではカカオトークが一般的で、メッセージ横の「1」が消えることで既読がわかります。)最初は「忙しいのかな」と思っていても、一時間ほどたつと考えが変わってきます。「昨日の私の一言が気に障ったのかな」「最近ちょっと冷めてきた気もする」。結局「忙しい?」ともう一度送り、返事が来るとしばらくは落ち着きます。そして翌日、同じことがまた起こります。
つらいのは、返信が遅いという事実そのものより、その空白に書き込んでしまう物語のほうです。こうした反応があるからといって、あなたに問題があるわけではありません。不安型愛着は、関係の中で脅威をすばやく察知する傾向を説明する枠組みのひとつにすぎないからです。相手を試したり自分を責めたりする前に、まずこの循環がどう回っているのかを見るのが順番です。
不安型愛着の特徴は、こんな形で表れます
成人の愛着研究では、愛着を二つの軸でとらえます。見捨てられることをどれだけ心配するか(愛着不安)と、親密になることがどれだけ落ち着かないか(愛着回避)です。ブレナンらが1998年に既存の尺度を集めて分析したところ、ほとんどがこの二つの軸に整理されました。つまり「不安型」とは、はっきり区切られたタイプというより、不安の軸が高い側にいる状態と考えるほうが正確です。
不安の軸が高いときによく見られる姿は次のとおりです。
- 返信が遅いと、最悪の結論から頭に浮かぶ
- 安心するために、確認・謝罪・推測をくり返す
- 近づくほど、かえって見捨てられる可能性に敏感になる
- 小さな距離でも、関係全体が危ういように感じる
- 相手の表情や口調の変化に、ほかの人より早く、強く気づく
ミクリンサーとシェイヴァーは、こうした反応を愛着システムを「過剰に活性化させる」方略として説明しています。相手の関心を確実につなぎとめようとして、警報をより大きく鳴らすわけです。問題は、警報が大きくなるほど相手は負担を感じ、一歩引いた相手を見て不安がさらに大きくなることです。
いくつか当てはまったからといって、タイプが決まるわけではありません。仕事が立て込んでいる時期かどうか、以前の恋愛で経験したこと、そして今の関係が実際に不安定かどうかもあわせて見る必要があります。返信が遅いたびに不安になるのは、自分のせいだけではないかもしれません。
恋愛の不安がくり返されるのは、親のせい?今の関係のせい?
「それって、お母さんとの関係のせいじゃない?」恋愛の不安を打ち明けると、一度は言われる言葉です。間違いではありませんが、結論が早すぎます。
ボウルビィの愛着理論は、幼いころに身近な養育者と結んだ関係が「人は信頼できるか」「自分は愛される価値があるか」という心の中のモデルをつくると考えます。ハザンとシェイヴァーは1987年に、この枠組みを大人の恋愛に当てはめました。ここまで聞くと、子ども時代が恋愛を決めてしまうように聞こえます。
ところが研究をもう少し見ると、絵が少し変わってきます。
- フェルハーヘらが2016年に95のサンプル(合計N=4,819)のデータを統合したメタ分析では、親の愛着表象と子どもの愛着のあいだに関連があることが確認されました。ただし相関係数は安定型で約.31と中程度で、20年前の分析より小さくなっていました。関連はあっても、コピーではないということです。
- フレイリーは2002年のメタ分析で、乳児期の愛着とその後の愛着の安定性を調べ、つながる部分がある一方で、新しい経験によって変わる余地も大きいと結論づけました。
- フレイリーらが2013年に出生から18歳まで追跡した研究では、養育環境だけでなく、社会性の発達や親友との関係の質も大人の愛着と関連していました。
まとめると、親は数ある影響のひとつです。ほかの養育者、友人、以前の恋愛、今受けているストレスが、すべて混ざり合っています。これが大切な理由はシンプルです。原因を親ひとりに押しつけると、今の自分にできることがなくなってしまうからです。反対に、今の関係でくり返されている場面をひとつ取り上げれば、変えられるところが見えてきます。これらの研究が主に欧米のサンプルにもとづいていること、調査や観察の方法が研究ごとに異なることも覚えておくとよいでしょう。
不安がふくらむ循環をゆるめる4ステップ
1. 事実と解釈を分けて書きます
「3時間返信がない」は事実で、「避けられている」は解釈です。メモアプリに2行に分けて書くだけでも、行動する前に一息つく余裕が生まれます。解釈の横に「ほかの可能性」をひとつ書き足すのも一つの方法です。会議中かもしれませんし、スマホの充電が切れたのかもしれません。
2. まず体を落ち着かせます
関係を解決しようとするメッセージは、胸がどきどきしているときほど送りやすいものです。水を一杯飲み、10分歩き、タイマーが鳴ったあとも本当に送りたいかをもう一度確かめてください。感情をなくすのが目的ではありません。行動のスピードを落とすためのステップです。
3. 責める代わりに、お願いを伝えます
「なんでまた無視するの?」の代わりに、「返事が長くないと、ちょっと不安になるんだ。忙しいときは短くてもいいから教えてくれる?」と伝えてみてください。相手が必ず応じなければならないという意味ではありません。ただ、自分の経験と望むことを具体的に言えば、相手も自分に何ができるかを判断できるようになります。
4. 関係の外にある支えを取り戻します
不安を一人の返信だけでなだめようとすると、関係はだんだん狭くなっていきます。友人との約束、運動、睡眠、自分の予定など、自分を自分に戻してくれることを意識して大切にしてください。恋人が唯一の安心の窓口にならないようにするだけでも、不安の大きさは変わってきます。
自分で確かめてみたい質問
次の質問に「はい」が多くても、自分を不安型だと決めつける必要はありません。循環がどこから始まるのかを見つけるためだけに使ってみてください。
- この1か月、返信を待つことで仕事や睡眠に支障が出たことはあるか?
- 確認のメッセージを送ったあと、安心はどれくらい続いたか?
- 今の関係で、実際に約束が何度も破られたり無視されたりしたのか、それとも主に自分の予想だったのか?
- 恋人以外に、不安を打ち明けられる人が一人以上いるか?
- 不安なときにした行動で、あとから後悔したものがあるとしたら何か?
関係の中で自分がいちばん求めているものがよくわからないなら、情緒的欲求テストを気軽に試してみるのもよいでしょう。愛されている、安全だ、理解されていると感じさせるサインが人によってどう違うのかを見ていくテストです。結果は診断ではなく、恋人にお願いする言葉を選ぶときの手がかりくらいに受け止めてください。
不安と向き合うことと、我慢することは違います
この記事は診断や治療の代わりにはなりません。不安で日常生活が立ち行かないほどなら、メンタルヘルスの専門家に相談してみてください。不安はなくすべき欠点ではなく、自分が何を望んでいるのかを教えてくれるサインでもあります。そのサインを少しゆっくり、少し正確に読む練習ができれば、それで十分です。
相談先
- 여성가족부, 여성긴급전화 1366 안내(韓国・女性家族部「女性緊急電話1366のご案内」)
参考文献
- Fraley, R. C. (2002). Attachment stability from infancy to adulthood: Meta-analysis and dynamic modeling of developmental mechanisms. Personality and Social Psychology Review, 6(2), 123–151.
- Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524.
連絡・距離・愛着を考える
全8話中1話- 01 不安型愛着:返信が遅いだけで苦しくなるときの4ステップ
- 02 彼氏の連絡が減ったとき:回避型愛着とほかに考えられる理由
- 03 内向型と回避型の違いは?一人で映画を観るのがいちばん楽な私は回避型愛着なのか
- 04 既読なのに返信がないのはなぜ?相手の気持ちを決めつけない考え方
- 05 恋人のLINEがそっけなくて寂しいとき、「私って気にしすぎ?」と何度も聞きたくなる心理
- 06 一人でいたいのに寂しいのはなぜ?一人の時間とつながりを両立する方法
- 07 愛着傾向とカップルの繰り返す衝突パターン
- 08 一緒にいるのに孤独な理由――ファビングと恋愛満足度の関連