けんかの理由は毎回違います。先週は待ち合わせの時間、昨日はSNSの「いいね」、今日は家事の分担。でも不思議なことに、けんかの進み方だけは怖いほど同じです。一人は追いかけて問い詰め、もう一人は口を閉ざして離れていく。
ここで問題なのは「何が原因だったか」より、「どうぶつかるか」です。そしてその「どう」は、幼いころから身についた愛着スタイルがつくる脚本かもしれません。
恋愛の衝突は、セリフよりパターンに注目する
HazanとShaverは1987年の『Journal of Personality and Social Psychology』の研究で、大人の恋愛関係も、乳幼児期の親子間の愛着と似た原理で働くという考えを提示しました。安定型、回避型、不安型(アンビバレント型)の愛着パターンが、大人の愛情にも繰り返されるというものです。
その後、Brennan、Clark、Shaverは『Attachment Theory and Close Relationships』(1998)で、既存の複数の愛着尺度を統合したECR(Experiences in Close Relationships)を開発しました。この尺度では、愛着を「不安(見捨てられることへの恐れ)」と「回避(親密さへの居心地の悪さ)」という二つの軸で測ります。つまり愛着は、きっぱり4つに分かれるラベルというより、二つの連続した傾向が人ごとに異なる強さで混ざるスペクトラムに近いものです。
韓国でもこの理論を夫婦・恋人関係に当てはめた研究があります。Kim Kwang-eun(2005)は、愛着スタイルによって、夫婦が葛藤の場面で選ぶ対処法が明確に異なると示しました。安定型に近いほど建設的・協力的に解決する一方、不安型と回避型は、それぞれ異なる仕方で対立を悪化させやすいという結果でした。
不安型が「確かめたい」を止められなくなる理由
不安型(とらわれ型)の愛着傾向がある人は、相手の愛情を常に疑いやすく、衝突が起こると感情を抑えきれずに強く表現しがちです。
「今、私を無視しているの?」「どうして返事をしないの。もう気にかけてくれていないんでしょ」「このまま別れようとしているの?」――こうした言葉が繰り返し出てくることがあります。
研究でも、不安型は拒絶のサインや、パートナーが少し距離を置く気配に特に敏感で、ネガティブな感情や行動を強く表現しやすいとされています。相手が少し静かになっただけで「去ろうとしているサイン」と受け取ってしまうのです。
ただ、この激しさの奥には、愛されていると確かめたい切実さがあります。それでも相手には「また始まった」としか見えないことがあり、すれ違いが深まります。
回避型は、なぜけんかになると黙るのか
一方、回避型の愛着傾向がある人は、葛藤自体を感情的な脅威として感じやすい傾向があります。けんかが大きくなるほど言葉が減り、黙り込んだり、その場を離れたりします。
「分からない。あとで話そう」「どうしてそんなに敏感になるの」「もうやめよう」――回避型にとってこの沈黙は、仲直りの拒否というより、防衛反応であることがあります。感情が過負荷になると、自分を守るためにシャッターを下ろすようなものです。Kim(2005)の研究でも、回避型は葛藤の場面で感情的に撤退したり、問題を避けたりする対処を多く使うことが示されました。
けんかをすると連絡がない恋人――沈黙の意味
けんかの後に連絡を断つ恋人がいると、その沈黙を「愛されていない証拠」と受け取りやすいものです。愛着理論の視点では、少し違う見方もできます。
回避型にとって連絡を絶つことは、関係を終わらせる宣言というより、「苦しくなりすぎたので、いったん止まりたい」というサインである可能性があります。もちろん、これが相手を放置してよい言い訳にはなりません。沈黙で相手を不安にさせること自体、関係に害を与えます。ただ、沈黙の動機を誤解すると、お互いへの怒りだけが雪だるま式に膨らみます。
要求・撤退パターン――追う側と逃げる側の悪循環
ここに、繰り返すけんかの中心構造が見えてきます。いわゆる「要求・撤退(demand-withdraw)」パターンです。
ChristensenとHeaveyが1990年に『Journal of Personality and Social Psychology』で体系的に整理した概念で、一方が問題を持ち出して近づく(demand)と、もう一方が圧力から逃れようと引く(withdraw)相互作用を指します。その後の多くの研究者はこれを愛着理論と結びつけ、不安型の「要求」と回避型の「撤退」が出会うと、お互いをさらに強く押す悪循環が生まれると説明してきました。
不安型が確かめようとして近づくほど、回避型は負担を感じて遠ざかります。回避型が遠ざかるほど、不安型は見捨てられる恐怖を強め、より必死に追いかけます。この追跡劇は、どちらかが勝って終わるものではありません。二人が疲れ切るまで続くだけです。毎回の争点が変わっても、この構造が残っていれば、同じ展開が繰り返されます。
安定型と恐れ・回避型はどう違う?
安定型の愛着傾向がある人は、葛藤が起きても感情に飲み込まれにくい傾向があります。自分の不快さを言葉にしながら、相手の事情を聞く余裕も持てます。問題と人(関係)を分けて扱えるため、衝突がむしろ関係を強くする機会になることもあります。
一方、研究では不安と回避の両方が高い場合を「混乱型」または「恐れ・回避型」と呼ぶことがあります。BartholomewとHorowitz(1991)の4分類モデルによれば、この傾向では親密さを求めながら、傷つくのも怖くて近づけないという矛盾が生じます。葛藤では激しく反応した後に急に固まるなど、不安型と回避型のパターンが混ざって現れやすいとされます。
愛着スタイルはMBTIのような固定ラベルではない
大切なのは、愛着スタイルを「私はこういう人」と一生固定するラベルにしないことです。愛着理論の研究者自身も、愛着は関係での経験、心理的支援、安定したパートナーとの肯定的な経験を重ねることで、時間とともに変わりうると考えています。
実際に、安定型に近いパートナーとの関係を続けるなかで、不安や回避の傾向が徐々に弱まる例も報告されています。「私は回避型だから仕方ない」「あの人は不安型だから無理」と決めつけることは、変化の可能性を自分たちで閉ざしてしまいます。タイプを知るのは理解のためであり、相手を決めつける武器のためではありません。
今日からできること
まとめると、繰り返すけんかの犯人は「その人」ではなく、「要求・撤退」というパターンそのものかもしれません。
次に衝突が始まったら、内容ではなくパターンに名前をつけてみてください。「またこの流れになっているね。私は確かめたくて近づいていて、あなたは苦しくて離れようとしているのかな」と言ってみる。その瞬間、二人はお互いを攻撃する代わりに、同じ問題を見るチームになれます。その一言が、悪循環を切る最初のスイッチになるかもしれません。
参考研究
- 김광은 (2005). 성인 애착 유형에 따른 결혼 만족도 및 부부 갈등 대처전략. 한국심리학회지: 상담 및 심리치료, 17(3), 707-734.
- Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511-524.
- Brennan, K. A., Clark, C. L., & Shaver, P. R. (1998). Self-report measurement of adult attachment: An integrative overview. Attachment Theory and Close Relationships.
- Christensen, A., & Heavey, C. L. (1990). Gender and social structure in the demand/withdraw pattern of marital conflict. Journal of Personality and Social Psychology, 59, 73-81.
- Bartholomew, K., & Horowitz, L. M. (1991). Attachment styles among young adults: A test of a four-category model. Journal of Personality and Social Psychology.