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内向型と回避型の違いは?一人で映画を観るのがいちばん楽な私は回避型愛着なのか

内向性は刺激とエネルギーの問題、回避型愛着は親しくなることが落ち着かない問題で、重なっても同じではありません。2つを分けるのは一人の時間の長さより、誰かが近づいてきたときの反応です。

要点:一人が楽なのは内向型?それとも回避型愛着?

  • 内向性は「刺激とエネルギー」の問題、回避型愛着は「親しくなること自体が落ち着かない」問題です。重なることはあっても、同じものではありません。
  • 大人の愛着研究では、愛着を「不安」と「回避」の2つの軸で測ります。回避の得点と外向性の相関は弱い負の相関(おおよそ-.2程度)にとどまり、片方でもう片方を説明するのは難しいとされています。
  • 一人の時間には高ぶった感情を落ち着かせる働きがあり、自分で選んだ孤独ほどリラックスに近いという実験結果があります。
  • 見分けるポイントは「一人でいる時間の長さ」ではなく、「誰かが近づいてきたときに体がどう反応するか」です。
  • 一人が楽だというだけで「自分は回避型だ」と決めつけるのは、よくある落とし穴です。

金曜の夜9時半。仕事から帰ってシャワーを浴び、ノートPCで海外ドラマの新しいエピソードを再生しようとしている場面を想像してみてください。LINEグループには「今週末、映画行ける人いる?」というメッセージ。行きたくないわけではないのに、返信を打ちかけて、そのままスマホを伏せてしまいます。映画はむしろ一人で行くほうが気楽なんですよね。座席を選ぶときに隣を気にしなくていいし、エンドロールの最後まで座っていても誰にも気をつかわなくて済みますから。

そんなときに「回避型愛着の特徴」といった記事を読むと、少しモヤッとします。連絡が面倒、一人が楽、気持ちの話は重く感じる。いくつかは当てはまる気がするんです。でも、それが単に物静かな性格なのか、人間関係で何かを避けているのかは、チェックリストを眺めるだけでは分かりません。研究でこの2つがどう定義されているかを知ると、自分のケースを見分けるための問いがいくつか見えてきます。

内向型は「エネルギー」の話です

内向性は、性格の5因子(ビッグファイブ)のうち外向性の低い側を指します。外向性が高い人は、人が多い場や刺激の強い環境で元気が出やすく、低い人は比較的静かな環境を好む傾向があります。ハンス・アイゼンクは1960年代、この違いを脳のもともとの覚醒水準で説明しようとしましたが、その後の研究では結果が分かれ、今では「そういう面もあるかもしれない」程度に受け止められています。

ここで見落とされがちなことがひとつあります。内向的な人も、人と会うのは楽しいんです。フリーソンら(Fleeson, Malanos, & Achille, 2002)は、参加者に1日に何度か自分の行動を記録してもらいました。すると、外向的にふるまった瞬間にポジティブな気分が高まる傾向は、もともと内向的な人にもほぼ同じように見られました。つまり内向型の人が一人の時間を求めるのは、人が嫌いだからというより、刺激を長く受けると疲れてしまい、回復する時間が必要だからと言えます。ただしこの研究は大学生が中心で、長時間続く集まりの疲れまでは測っていない点は差し引いて考える必要があります。

まとめると、内向性の問いは「どれくらいの時間、どれくらい強い刺激に耐えられるか」です。仲のいい友だち一人と静かなバーで3時間しゃべるのは平気なのに、20人の飲み会は2時間でぐったりする、といった具合ですね。

回避型は「距離」の話です

愛着理論を大人の恋愛に初めて当てはめたのは、ハザンとシェイバー(Hazan & Shaver, 1987)です。2人は新聞のアンケートで大人に恋愛経験をたずね、安定型・回避型・不安アンビバレント型の割合がおよそ56%、25%、19%と、子どもの愛着研究に近い数字になったと報告しました。4人に1人くらいですから、回避型は珍しい「問題のあるタイプ」ではありません。3つの説明文から自分にいちばん近いものを選ぶだけという大まかな測り方でしたが、恋愛を愛着のしくみとして捉える流れはここから始まりました。

その後、ブレナンら(Brennan, Clark, & Shaver, 1998)は、当時ばらばらに存在していた愛着尺度の項目を数百個集めて分析し、大人の愛着が結局2つの軸にまとまることを示しました。ひとつは見捨てられることを心配する「不安」、もうひとつは親しくなったり頼ったりするのが落ち着かない「回避」です。このとき作られたECRという尺度は、今も大人の愛着研究でいちばんよく使われています。タイプをはっきり分けるより、2つの得点の組み合わせで見るのが最近の考え方です。

回避の項目を見ると、内向性とは明らかに性質が違います。「相手があまり近づいてくると落ち着かない」「自分の本音を見せるのは気が進まない」といった内容です。ポイントは一人でいる時間の長さではありません。親密さが増した瞬間に緊張が高まり、距離をとることでその緊張を下げようとする、という点なんです。ミクリンサーとシェイバーは、これを愛着のしくみをあえてオフにしておく「不活性化方略」と呼んでいます。

回避型の人が関係を望んでいないという意味ではありません。ミクリンサーら(Mikulincer, Dolev, & Shaver, 2004)は、回避の得点が高い人に別れの場面を思い浮かべないよう抑え込んでもらい、同時に頭を使う別の課題を重ねました。余裕があるときには別れのことをうまく抑えていた人たちも、認知的な負荷が大きくなると、その考えがぶり返し、否定的な自己イメージも浮かびやすくなったんです。欲求をなくしたのではなく、押さえ込んでいたと解釈することもできます。実験室の課題で見られた結果なので、そのまま恋愛の場面に当てはめるのは慎重であるべきですが、「自分はもともと人を必要としないタイプ」という自己説明を一度疑ってみる根拠にはなります。

一方、内向的な人にはこうした押さえ込みは必要ありません。一人の時間が好きなだけで、誰かが近づくこと自体に緊張するわけではないからです。どちらも「週末は家にいるね」と言うかもしれませんが、その言葉の裏にある事情が違うんですね。

2つの得点は意外と別々に動きます

では、内向的な人は回避の得点も高いのでしょうか。ノフトルとシェイバー(Noftle & Shaver, 2006)は、大学生に愛着尺度とビッグファイブの性格検査を両方受けてもらいました。回避は外向性の下位側面である温かさ・社交性・ポジティブ感情と負の相関を示しましたが、その大きさはおよそ-.22から-.26。関連はあるものの弱く、外向性の得点だけでは回避の得点をほとんど言い当てられないということです。同じ研究では、恋愛関係の質を予測する力は、性格の5因子より愛着の2軸のほうが高い傾向もありました。

ですから、4通りの組み合わせがすべて存在します。映画は一人で観るほうが気楽だけれど、恋人がその日つらかったことを話し始めたら自然に耳を傾けられる「内向的な安定型」。反対に、週末は予定がぎっしりで飲み会では場を盛り上げるのに、恋人から「私たちのこと、ちょっと話したい」と言われると話題をそらす「外向的な回避型」もいます。パーティー好きの回避型は思ったより多いんです。人の多い場は、かえって一対一の親密さを避けやすい場所でもありますから。

一人の時間は高ぶった気持ちを落ち着かせます

一人が楽だということを、問題の証拠とばかり見る必要はありません。グエンら(Nguyen, Ryan, & Deci, 2018)は、参加者にスマホを持たずに15分間一人で座っていてもらう実験を何度か行いました。一人でいる間、興奮や不安といった強い感情は、ネガティブなものもポジティブなものも落ち着き、誰かと一緒にいるときにはそうした変化は見られませんでした。自分から一人でいることを選んだ条件では、リラックスやストレスの軽減により近い結果も出ています。ただし15分間の実験室での話なので、何週間も人を避ける生活までこれで説明するのは難しいでしょう。

この実験で注目したいのは「自分で選んだかどうか」です。同じ一人の時間でも、休みたくて選んだ時間と、人を避けるために隠れている時間は、外から見るとまったく同じなのに動機が違います。この違いについては一人になりたいのに寂しい理由でも取り上げています。

つまり、映画館に一人で行くという行動そのものは何も教えてくれません。その時間を選んだ理由が「休みたいから」なのか「誰かが隣に来るのが嫌だから」なのかが、答えを教えてくれるんです。

迷ったときに自分に聞いてみたい5つの質問

タイプ名をつけようとするより、次の質問に正直に答えてみるほうが役に立ちます。

  1. 一人で休んだあと、また人に会いたくなりますか?それとも一人の状態をずっと守りたくなりますか?前者なら「充電」に近いと言えます。
  2. 恋人や親しい友だちがつらい話を切り出したとき、最初にわく感情は何ですか?心配なら問題ありませんが、息苦しさや「なんで私に?」が先に来るなら、回避寄りのサインかもしれません。
  3. 相手に「最近ちょっと距離を感じる」と言われたとき、会話を続けますか、避けますか?疲れているから後回しにするのと、その話題自体が嫌で後回しにするのは別物です。
  4. 関係がうまくいくほど、かえって居心地が悪くなったことはありますか?距離が縮まるタイミングで相手の欠点を探し始めるなら、距離の調整に近い反応です。
  5. 人数が少ないほうが楽になりますか?一対一が気楽なら内向性、一対一がいちばん負担なら回避寄りの可能性が高いでしょう。

ひとつ落とし穴もあります。燃え尽きているときは、誰でもこの質問に回避型のように答えてしまうんです。何か月も残業が続いている時期なら、結論はいったん保留にしておくのが正解です。性格や愛着の問題ではなく、単に余力が残っていないだけかもしれませんから。

恋愛中なら、相手の立場から見てみるのも助けになります。回避型の彼氏の特徴と安定した恋愛のコツや愛着スタイルと恋愛のすれ違いで、2人のパターンがどうかみ合うのかを解説しています。

関係のなかで自分が何を求めているかを先に知る

内向型か回避型かという名前をつけるより役に立つのは、自分が関係のなかでどんなサインを受け取ると安心するのかを知ることです。連絡の頻度より「あなたの一人の時間を大事にするよ」という一言に安心する人もいれば、相手から先に聞いてくれることに安心する人もいます。感情的ニーズ診断では、関係のなかで愛されている、分かってもらえていると感じるサインがどこに集まっているかが分かります。結果は診断ではなく、一人の時間と誰かと近くにいる時間をどう配分するかを考える材料くらいに使ってみてください。

ECRのような尺度も研究用のもので、個人を判定する道具ではありません。愛着の得点は比較的安定しているものの、関係での経験によってある程度変わるという報告もあり、一度の回答で人を決めつけることはできません。相手によって変わることもあります。フレイリーら(Fraley et al., 2011)は、同じ人に母親・父親・恋人・親友との関係をそれぞれ別々にたずねる尺度を作りましたが、関係ごとの得点は完全には連動しませんでした。親友の前では気楽に本音を話せるのに、恋人の前でだけ言葉を飲み込む人もいる、ということですね。ですから「私は回避型」という一行より、「私はこの関係で、こういうときに距離をとる」という文のほうがずっと正確です。

一人で映画を観るのがいちばん落ち着く、というのはそれ自体まったく問題ありません。ただ、その心地よさが、休んだあとにまた人のところへ戻る力になっているのか、誰かが近づく隙間をふさぐ壁になっているのかは、ときどき確かめてみる価値があります。今夜エンドロールが終わったら、伏せておいたスマホを返して、あのグループに返信したくなるかどうか、少しだけ気にしてみてください。

参考文献

  • Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524. https://doi.org/10.1037/0022-3514.52.3.511
  • Brennan, K. A., Clark, C. L., & Shaver, P. R. (1998). Self-report measurement of adult attachment: An integrative overview. In J. A. Simpson & W. S. Rholes (Eds.), Attachment theory and close relationships (pp. 46–76). Guilford Press.
  • Noftle, E. E., & Shaver, P. R. (2006). Attachment dimensions and the big five personality traits: Associations and comparative ability to predict relationship quality. Journal of Research in Personality, 40(2), 179–208.
  • Fleeson, W., Malanos, A. B., & Achille, N. M. (2002). An intraindividual process approach to the relationship between extraversion and positive affect: Is acting extraverted as "good" as actually being extraverted? Journal of Personality and Social Psychology, 83(6), 1409–1422. https://doi.org/10.1037/0022-3514.83.6.1409
  • Nguyen, T. T., Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2018). Solitude as an approach to affective self-regulation. Personality and Social Psychology Bulletin, 44(1), 92–106. https://doi.org/10.1177/0146167217733073
  • Mikulincer, M., Dolev, T., & Shaver, P. R. (2004). Attachment-related strategies during thought suppression: Ironic rebounds and vulnerable self-representations. Journal of Personality and Social Psychology, 87(6), 940–956.
  • Fraley, R. C., Heffernan, M. E., Vicary, A. M., & Brumbaugh, C. C. (2011). The Experiences in Close Relationships—Relationship Structures questionnaire: A method for assessing attachment orientations across relationships. Psychological Assessment, 23(3), 615–625. https://doi.org/10.1037/a0022898
  • Mikulincer, M., & Shaver, P. R. (2016). Attachment in adulthood: Structure, dynamics, and change (2nd ed.). Guilford Press.
  • Eysenck, H. J. (1967). The biological basis of personality. Charles C. Thomas.
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